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塩のマジック!カクテルを一層美味しくしてくれる魔法の調味料

カクテルの世界におけるの役割は、マルゲリータを入れたグラスの縁を飾るだけではありません。塩をひとつまみ加えるだけでドリンクの味が引き立ちますが、ソルティーなドリンクにしか適さないというわけでもありません。“カクテルに塩”といえばブラッディ―マリーミチェラーダブルショットといった古典的なカクテルなども思い浮かびますが、最近ではこれに限らず、多くのカクテルに塩が調味料として使われています。世界中のバーテンダーたちはオリジナルレシピの繊細な味わいをより一層深めるために様々な方法で取り入れているのです。

ニューヨーク・ブルックリンにあるチェッコーニズ・ダンボ(Cecconi’s Dumbo)のバーマネージャー、アレックス・スミス氏は「料理と同じく、塩をひとつまみ加えることでドリンク全体の味わいをぐっと高めることができる」といいます。また、塩は苦みを抑えつつ、甘味と酸味を際立たせるので味のバランスを整えるのにも役立つということです。

スミス氏は、水道水ではなくスパークリングウォーターに塩を溶かして使っています。お薦めはミネラル豊富ですっきりとした味わいのサンペレグリノ。“縁に塩”ではなく水に直接溶かすことで塩分濃度をコントロールし、いつ飲んでも同じ味をキープすることができます。

さらに塩は、卵白に含まれるタンパク質を安定させつつ(一般的に、サワーフィズフリップ系のカクテルでは口当たりを高めるために卵白を加えます)、さりげなく味蕾に働きかけ、あとを引く美味しさを演出します。

ニューヨークのイーストビレッジにあるミスター・パラダイス(Mister Paradise)のオーナー、ウィル・ワイアット氏は、カクテルに塩は欠かせないといいます。同店のドリンクメニューには塩を使ったカクテルが5種類あります。「塩はのどの奥を湿らせるので味をより強く感じさせます。どんなカクテルでも塩を加えると味の感じ方が変わる点が面白いと思います」

数々の受賞歴を誇るバーテンダー、ライアン・チェティヤワルダナ氏は、ロンドンにカクテルバー、ライアネス(Lyaness)をオープンさせたことで広く知られています。その同氏によると、塩はいまやカクテルづくりに広く使われ、欠かせない調味料になっているといいます。ライアネスのバーには塩水の入ったガラスのボトルが常に用意されています。分量はマルドンシーソルト1に対し水5。カクテルに加えたり、ヘミングウェイ・ダイキリをアレンジした塩味のアブサンを作ったりすることもあるそうです。

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グレイ・グサーノカクテルのレシピを見る

シェイクする時に混ぜる

まずは一番簡単な方法から。シトラス系のカクテルに好みの塩をちょっとだけ加えてみてください。色々な組み合わせを試してみるのも楽しいものです。コーシャーソルトやフルール・ド・セルは、さりげなくバランスを取りつつ味を際立たせてくれます。もっと冒険してみたい時には、バーテンダーの間でひそかに人気を呼んでいるサル・デ・グサーノ(虫入りの塩)に挑戦してみるのもいいかもしれません。

スモーキーな唐辛子とリュウゼツランに住みつくイモムシが入ったメキシコの古典的な調味料であるサル・デ・グサーノは、ストレートのメスカルやテキーラと供されることが多いですが、米オレゴン州ポートランドにあるデッドショット(Deadshot)のバーマネージャー、ナターシャ・メサ氏は、メスカルベースのグレイ・グサーノなどのカクテルに直接ミックスするといいます。メキシコ食材の専門店でサル・デ・グサーノを手に入れて、自宅でこのレシピにトライしてみてはいかがでしょう。

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「ジャングリーバードカクテル」のレシピはこちらから

食塩水を作る

塩と水を混ぜるだけのシンプルさから、バーテンダーの間でも食塩水は頻繁に使われます。ニューオーリンズにあるサフロン(Saffron)のバーディレクター、アシュウィン・ビルク氏は、ジャングリーバードをはじめとする様々なカクテルにコーシャーソルトの塩水を使っています。自分の子供時代をインスピレーションに、王道であるティキカクテルをアレンジしたこのレシピは、ラム酒、カンパリ、フレッシュライム、ファレナム(カリブ海のシロップ)、パッションフルーツ・リキュール、自家製ローストマンゴー シロップに塩水を少々加えたものです。

プロからのアドバイス:結晶化を防ぐために、食塩水は気密性の高いガラス瓶に入れて冷暗所で保管してください。

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「ソルテッドチェストナットリキュール」のレシピはこちら

スピリッツに塩を加える

カクテルのメインとなる材料、例えばリキュールに塩を入れるのは、食塩水を使ったり、塩をそのまま加えたりするよりも手間がかかるのは確かです。しかし、このテクニックをマスターできれば、リキュールそのものの印象を一変し、ミキシングの際にも上手に味をコントロールできるようになります。

ロンドンのアメリカンバー・アット・ザ・サヴォイ(American Bar at The Savoy)では、バーボン、ペドロ・ヒメネス(シェリー酒)、ドライ・ベルモット、ローストしたオークビターズ、ライムなどの材料に、塩味をつけた自家製の栗のリキュールを主役に据えたカクテルを提供しています。ここでは家庭で再現できるように、ローストした栗の香ばしい豊かな風味を生かした簡単バージョンの栗のリキュールを紹介します。

お気に入りのクラシックなウイスキーカクテルにひとつまみ加えたり、ジンジャービールやエールをベースにしたドリンクに混ぜてみてください(栗としょうがは相性抜群です)。このリキュールはそのままでも美味しいので、食後にストレートで飲んだり、ケーキバニラアイスクリームにかけてデザートを作ったりするのもお薦めです。

この記事はPopular Scienceのセリーヌ・ボッサート(Saveur所属)が執筆し、Industry Diveパブリッシャーネットワークを通じてライセンスされています。ライセンスに関するお問い合わせはlegal@industrydive.com.まで。

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