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“お酒の会社のDX推進を、パッションで叶える”サッポロビールで働く人の 「I・eye・愛」 vol.14 ―DX推進担当 佐藤 麦

    ――あなたは仕事やプライベートにどんな「アイ」を持っていますか? きっと誰しも強いこだわりや熱い想いを持っているのではないでしょうか。本企画では、サッポロビールで働く人に、「私はこんな職種(I)」で、「こんな視点(eye)」で仕事をしていて、「こんな想い(愛)」を持っている、といった3つの「アイ」を語ってもらいました。みなさんが普段飲むお酒をつくる人たちの思いとは。そこには意外な仕事とユニークな人たちがいました。

    連載第14回目は、DX企画部の佐藤麦に取材。熱いパッションで社内のDXを推進する彼の姿に迫ります。

    ・「麦(むぎ)」という名前は、父親がビール好きだったことから名付けられた。

    ・小学校は野球部、中学校はバスケ部、高校時代はボルダリング部と、スポーツは何でも得意。

    ・初めて飲んだビールが「赤星」。その美味しさに“一口惚れ”してサッポロビールが好きに。

    「勘と経験」から「データとAI」へ。
    サッポログループ全体を変革するDX推進担当

    ――現在所属している部署とこれまでの経歴を教えてください。

    佐藤:現在、サッポロホールディングスに出向しており、グループ全体のDX推進を担うDX企画部 データ戦略グループでデータサイエンティストとして働いています。2023年にDX人財採用の1期生として入社しました。最初はサッポロビール株式会社でDX推進を担当し、2025年秋から現在の部署へ異動しています。

    ――データサイエンティストという職種には、もともと興味があったのですか?

    佐藤:大学で統計学を専攻していたことがきっかけで興味を持ちました。ゼミの活動で実際に企業からデータを提供してもらい、それを分析して課題を特定し、施策を提案する経験をしました。データをもとに課題を見つけ出し、解決策を提案していくプロセスに魅力を感じたのです。

    また、お酒も大好きだったので、お酒に関するデータを活用して大好きな会社をより良くしていきたいと考え、サッポロビールを志望しました。

    ――現在はどのような仕事を担当しているのですか。

    佐藤:一言で言えば、これまで勘と経験に頼っていた業務を、生成AIなどの AI 活用やデータ分析によって効率化・高度化していく仕事をしています。製造、物流、経理、営業領域など、さまざまな部署が、それぞれ抱えている業務課題に対して、デジタル技術を活用した解決へのアプローチを行っています。

    あとは、社内でどのように生成AIを活用していくかという戦略の策定にも携わっており、全社員向けに生成AIの活用をサポートする勉強会を開催するなどして、社内のAIの普及を推進しています。

    ――さまざまな部署と関わりがありそうですね。

    佐藤:そうですね。他部署とのやり取りが多いです。向こうから「こういう課題があるんだけど、デジタル技術を使った課題解決ができないか」と相談されて一緒に進めていくケースもあれば、逆に、私たちの方から業務課題をヒアリングして提案をすることもありますよ。

    ――現在、サッポログループではどのくらいDXが進んでいるのでしょうか。

    佐藤:意外というと語弊があるかもしれませんが、かなり進んできていると思っています。社内の生成AIの利用率を見ると7割近くの社員が日々利用していて、他社と比較して同等またはそれ以上だと思っています。コーポレート部門から営業部門まで、さまざまな部署で活用が進んでおり、単なる省力化や効率化のみでなく、AI活用を前提とした業務プロセスの再設計にも着手しています。

    具体的な活用例で言うと、メール文章の推敲といった日常業務はもちろん、提案書を作成する際に生成AIと壁打ちをして、よりお客様のお役に立てるような提案にブラッシュアップするといった使い方をしている人も多いです。

    他には、グループ会社であるサッポロライオンでの事例もあります。購買データをAIエージェントに読み込ませてお客様のニーズと店舗の課題を分析し、出てきたアイデアをもとにメニューを考案したんです。「ゼロ次会におすすめ! 渋谷マークシティ店限定『ビヤホールセット』」として、実際に期間限定で、渋谷マークシティの店舗でお客様に提供していました。

    eye  ー 私はこんな視点で、

    泥臭く実行することが最短距離。
    “パッション系”データサイエンティスト

    ――担当している仕事に関して、大事にしている「視点やこだわり」を教えてください。

    佐藤:「データサイエンティスト」と聞くと、データをスマートに使いこなすクールな人をイメージされる方が多いかもしれません。しかし私は、「熱いパッションを持って泥臭く実行する」ようなデータサイエンティストを目指しています!

    データは分析しただけでは価値が生まれないと感じていて。関係者の方々と熱く語り合い、表面的な課題からヒアリングをはじめ、「真の課題は何ですか?」と深ぼっていき、アイデアをブラッシュアップしていくことが大切だと考えているんです。そして、実行のフェーズでは泥臭く動いていく。これが仕事をする上での私のこだわりです。

    他部署とやりとりをする際は、チャットだけで済ませるのではなく自ら足を運んで直接聞きに行ってしまうことも多いですね。その方が物事もスムーズに動きますし、こうしたフットワークの軽さこそが、自分の強みだと思っています。

    実は、入社当初は相手から言われたことをただ形にして渡すだけになっていたことがありました。しかし、それだと作ったものがなかなか現場に定着しなかったんです。そこで、相手との会話を重ねて作り上げていくことが重要だと気がつきました。

    ――そのパッションが生きた具体的なエピソードを教えてください。

    佐藤:全社員を対象とした、生成AI活用の勉強会を自分が主体となって実施した時のことです。準備中、上司からは「話したいことの要点が少し分かりにくい。相手の視点に立って会話をするように意識するのはどうか」とアドバイスをいただき、社内の利用状況の解像度を上げることにしたのです。

    「誰がいつ使っているのか」「逆に使うのをやめてしまった人はなぜ離脱したのか」などをデータ分析して具体的な課題を特定し、その課題に基づいて勉強会の内容を組み立て直しました。また当時、比較的利用率が低かった営業部門に対しては、実際に生成AIを使いこなしている社員に使い方をヒアリングし、「使ってみたくなる」ようなユースケースとして勉強会で紹介しました。その結果、3日間の勉強会で計約1,900人が参加してくれて、その後も利用が継続するという大きな成果に繋がりました。

    ――その他に、仕事で達成感を感じたエピソードはありますか。

    佐藤:コンビニ商品の需要・供給管理での仕事が記憶に残っています。最初は「AIを使って需給予測をすることで、予測精度の向上を実現していく」という目的でシステムを開発しました。しかし、AI による需要予測を実施していく中で、そもそも業務の進め方自体も改善できるではないかという根本的な課題が見えてきたのです。

    そこで、担当部署であるサプライチェーンマネジメント部の方に業務プロセス自体を改善できないかと提案。営業部門のメンバーも巻き込んで話し合える体制にした上で、これまで個別に管理されていた必要なデータを集約し、全員が同一データをもとに議論できるダッシュボードを構築しました。その結果、「これだけ数値が出ているから、あとこれくらい調整が必要だよね」と議論ができ、経験や勘に頼りがちだった判断から、データを共通言語にした意思決定の変化に繋がりました。

    DXの力でサッポログループを、
    ”もっとワクワクする会社”へ

    ――サッポログループの、どんなところが好きですか。

    佐藤:私が就職活動をしていた時、もともと大切にしていた3つの軸がありました。1つ目は自分のスキルを活かすこと、2つ目は自分が好きな商品に関わること、そして3つ目は自分が好きだと思える人と働くことでした。

    サッポロビールの商品はもちろんですが、私はここで働いている人のことがとても好きなんです。だからこそ「大好きな社員の皆さんが、もっとワクワクして仕事をするために、私は何ができるのだろう」と考えました。そのときに、自分のスキルを使って解決できる部分は、一人ひとりの生産性を高めることだと気づいたのです。

    実際の業務を見ていると、データ集計やメール作成など、意外と日々の作業に時間を取られているケースが多いです。こうした生成AIに任せられるような作業はどんどん自動化し、新しい価値を創造する業務に時間を当てられる環境整備をしていきたいのです。

    ――あまり知られていないけれど、サッポログループならではのユニークな部分があれば教えてください。

    佐藤:サッポロホールディングスは、DXの推進が非常に進んでいる会社であるということはぜひお伝えしたいです。2022年には、経済産業省が定める「DX認定事業者」の認定を取得し、現在に至るまで認定を更新しています。また、生成AIツールは外部のサービスをそのまま導入したり開発を委託したりすることが一般的ですが、私たちの場合は社内のメンバー自らが開発し、社内運用しています。この点は社外の方から驚かれることが多く、誇れる強みだと感じています。

    ――サッポロビールの行動規範に「カイタクしよう」とありますが、仕事やプライベートでカイタクやチャレンジしていることはありますか?

    佐藤:「カイタクを日常にする」ということを意識しています。具体的には、あえて同じ行動を繰り返さないようにしています。行きつけの居酒屋さんも素敵ですが、ランチや夜ご飯を食べる時は毎回新しいお店に行ってみる。読書をするときも、ビジネス書を読んだ後は小説を読んでみるなど、常に新しい刺激を得られるように生活しています。

    また、スキルアップの面では1年に1回、資格を取得するというチャレンジを続けています。入社1年目から毎年、データサイエンティストの仕事に役立つ資格を取得してきましたが、今年はインテリアコーディネーターの資格が気になっています。

    飲食店に通う中で、心地よいと感じる空間とそうでない空間の違いを、漠然とした感覚ではなく理論的に説明できるようになりたいと考えるようになったのです。インテリアの知識を学ぶことで、これまでとは違う方向の知識を得られたら、と考えています。

    ――サッポロビールのビジョンに「誰かの、いちばん星であれ」を掲げていますが、これから仕事を通して自己実現したいことがあれば教えてください。

    佐藤:やはり、「サッポロビールを、もっとワクワクする会社にすること」です。そのために私にできることは、パッション系データサイエンティストとして、これまでの歴史ややり方を尊重しつつも、DX化を通して新しい価値をどんどん生み出していくことだと考えています。

    さまざまな部署の方からは既に、「生成 AIを使うのは便利で楽しい!」「データを可視化したらこんなことまで分かるんだ」と言ってもらえる機会が増えています。まずは社内の人たちにデータ活用の楽しさを伝え、その人たちが「もっとこんな分析をしてみたい」と主体的に動くような、新しい文化が生まれる会社にしていきたいと考えています。

    社員の一人ひとりがワクワクする仕事ができていれば、お客様に対しても、新しい楽しさや豊かさを発見していただけるようなモノづくりや提案ができるようになるはずです。その結果、サッポロビールのことをもっと好きになってくれる人が増える、そんな世界を目指していきたいです。

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    プロフィール

    佐藤 麦
    2023年、DX人財採用の1期生としてサッポロビール株式会社に入社。初期配属サッポロビールのDX推進部門を経て、2025年秋よりサッポロホールディングスに出向。現在はDX企画部 データ戦略グループにて、データサイエンティストとしてグループ全体のデータ活用や生成AIの推進戦略に携わる。

    クレジット:

    Photograph_Keisuke Yasuda
    Text_ Nana Tabara
    Edit_Nana Tabara,Tenji Muto(amana)

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