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冬のぶどう園の様子 〜グランポレール勝沼ワイナリーより〜

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グランポレール勝沼ワイナリーから冬の様子をお伝えします。
山には雪がうっすらと積もっていますが、空は快晴!

こちらに写っている葡萄の樹の品種は、ケルナー、ツヴァイゲルトレーベ、ミュラートゥルガウ、ピノノワールです。 日本では主に北海道で栽培されている葡萄品種です。

ワイナリー内のぶどう園では剪定(センテイ)が始まっています。

剪定は、今年出てくる芽を適切な数にするために、枝を切って整える作業です。
剪定は、休眠期の作業で最も重要と考えられています!

なぜなら、芽の数で新梢数が決まり、芽の数が多いと新梢数も多くなります。(新梢は今年新しく成長した芽のことです)ぶどうの花は新梢でつくられることが多く、そこからぶどうの房となるため、剪定で多すぎても葉や房の重なり等で生育阻害や病害が発生する可能性があり、少なすぎても収量が少なくなるので、剪定作業の段階が最も重要なんです! 

また、芽はとても弱く、少し触れただけで取れてしまうこともあるので、芽を傷つけないように作業することが必要です。

残す芽の数と新梢の太さでも変わってきます!

<残す芽の数>

■多いと?

・ぶどう品質が下がる(各房に分配される養分が少なくなる、病害になりやすくなる、受光性が下がる)

・樹の生育(=樹勢、伸長する力)が弱くなる(各新梢に分配される養分が少なくなる、受光性が下がる)

・房のサイズが小さくなる(各新梢に分配される養分が少なくなる、受光性が下がる)

・新梢数が増える

・作業性が下がる(過繁茂により手入れの量が増える)

■少ないと?

・ぶどう品質が上がる(各房に分配される養分が多くなる、病害になりにくくなる、受光性が上がる)

・樹の生育が強くなる(各新梢に分配される養分が多くなる、受光性が上がる)

・房のサイズが大きくなる(各新梢に分配される養分が多くなる、受光性が上がる)

・新梢数が減る

・作業性が上がる

<新梢の太さ>

■太いと?

・樹の生育が強くなる

・房のサイズが大きくなる

・作業性が下がる

■細いと?

・樹の生育が弱くなる。

・房のサイズが小さくなる

・作業性が上がる

このように剪定は、ぶどう品質、収量、樹の生育程度、作業性を調整するために重要なんですよ~!

当然、生育の途中でも新梢数を調整したり、房数を調整したりなど、日々のお世話が欠かせません!

剪定をする前


剪定をした後はこの様な姿になります。

剪定をした後


この方法は日本では主に北海道で行われている仕立方法で、短梢剪定といいます。

垣根仕立では短梢剪定のほかに長梢剪定があります。垣根仕立は、地面に対して垂直方向に新梢を伸ばしていく方法です。
日本の生食用葡萄の栽培で良く見られる仕立方法は棚仕立と呼ばれています。
棚仕立とは地面に対して水平方向に新梢を伸ばしていく方法です。

日本で最も選択されることが多いのが棚仕立です。
棚仕立は生食用葡萄で主に選択されますが、ワイン醸造用と生食用兼用の甲州種やマスカットベーリーAでもこの仕立方法が選択されることが多いです。

棚仕立が日本で多い理由は、日本は一般的に降水量が多いことから、通気性が良く果実が地面から遠いことで湿気による果樹の病害を防いだり、野生の獣による果実の被食を防いだりできることや、垣根仕立と比べて1本の葡萄の樹からの収穫量を多く確保できることが挙げられます。

しかし、選択する葡萄品種の樹勢(伸長する力)が強くないと、あまり良い結果は得られません。


一方、垣根仕立は棚仕立よりも、根から主幹、末端までの距離が近くなることや、ぶどうの房数も少なくなるため、葡萄の樹が得た栄養や水分を果実へより配分しやすくなります。

しかし、選択する葡萄品種の樹勢(伸長する力)が強すぎると、あまり良い結果は得られません。

この2つの仕立方法以外にもたくさんの方法があり、その土地の環境や歴史、品種の特性等によって様々な仕立方法が選ばれます。


当社は、長年の試行錯誤により、目指すぶどう品質・収量を達成できるような、その土地・品種にあった仕立て方法を採用しています。

コルドン式(短梢剪定)が昨年伸びた新梢を数芽残して短くカットしていく剪定方法に対して、ギュイヨ式(長梢剪定)は昨年伸びた新梢のうち、主幹により近いものを左右方向に1つずつ残す剪定方法です。

北海道の余市のワイン醸造用葡萄の栽培では主に短梢剪定(「片腕コルドン」と呼ばれる斜め方向に主幹を伸ばす方法です)が選択されていますが、その理由は、雪の重みで樹が折れてしまわないように、収穫後に剪定を行って、主幹を土の上に寝かして、葡萄の樹を降雪に埋もれさせるためです。雪の中に埋もれさせることにより、保温の効果もあるので、葡萄の樹が極低温によって割れてしまうのを防ぐことができるんです!


このように、土地の環境や歴史、品種の特性等に合った仕立方法が世界にもたくさんあって面白いですよね!

こちら、切った枝の周りについている少し大きな白いツブが芽です!

芽のついた枝

春になって暖かくなってくると、樹が水を吸いはじめ、芽から発芽します。

今年も良いぶどうが育つようにしっかりと作業して、ぶどう樹を見守っていきたいと思います!



製造部 渡邉 真介

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