SAPPORO

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2011年6月

6.29(水)

群馬の大麦育成日記最終回~収穫

原料のこだわり

こんにちは、大麦担当フィールドマンの金谷です。

昨年末からお伝えしてきました「群馬の大麦育成日記」も今回が最終回です。

5月下旬から6月上旬にかけて、試験圃場の大麦の収穫を行いました。

播種のときにお伝えしたとおり、この畑にはたくさんの種類の試験品種を育てますので、収穫のときも、その品種が混ざらないように丁寧に行います。

線に沿って等間隔に播いたおかげで、きれいに並んで育ちましたよ↓

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5月末に雨が降り、いつもは、バインダーという機械で収穫から結束まで行えるのですが、一部の畑では雨の後で土がぬかるんで、機械が畑の奥まで入れないところがあり、そのようなところは手作業で行いました。私たちの圃場でも、手作業で収穫することはほとんどなく、腰をかがめ作業をしていると昔の人の苦労が偲ばれました。下の写真は手刈り中の私です。

根元をグッと掴み、鎌を使って切り↓

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品種ごとに束ねていきます↓

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また、品種によっては、ある程度まとまった数量を植えたものもあるので、一般の生産者のようにコンバイン(下の写真)を使って収穫をすることもあります。

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次に、収穫した大麦は下の写真のような“稲架(はざ)”に干します。

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“稲架”にかけて十分乾燥させた後に脱穀するのですが、脱穀した粒はさらに天日乾燥し、収穫時20%ほどあった水分は、10数%にまでなります。ここまで乾燥すれば、カビなどの心配もなく、安心して貯蔵できるようになります。

そして、1,000粒あたりの重量を測ったり、粒の大きさや粒の揃い具合をみたり、発芽率の試験も行い、品種特性のデータを集積していくのです。

一般の生産者の畑では、大きなコンバインで収穫をしながらそのまま脱穀します。そして、脱穀したものをトラックで農協に運び、大きな乾燥施設で丁寧に温風乾燥するのです。

収穫が終ったここの畑は、11月の播種時期までは休息期間japanesetea

でも、私は休んでられませんsad。今年の夏からヨーロッパの大麦担当フィールドマンとなったため、7月上旬にはデンマークとチェコに現地の大麦育成状況の確認のために出張airplaneそして、帰国後は、すぐに北海道に飛び、そこでも調査や収穫のために1ヶ月ほど滞在予定と大忙しですdash

ということで、次回はまたどこかの畑からご報告いたしますので、その日までhappy01paper

6.28(火)

群馬工場:第7回「宇宙を旅した大麦」収穫イベント

原料のこだわり

今年は、歌手の中西圭三さんのご協力を得て、
東日本大震災チャリティライブ※」も同時開催しました。

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サッポロビールは、「宇宙での大麦(ビール用大麦)の生育」について研究している、
ロシア科学アカデミー生物医学研究所と岡山大学に対して、
実験で使用している大麦の種子を提供するなどの支援をしています。

2006年、国際宇宙ステーションに5ヶ月間滞在した
ビール用大麦品種「はるな二条」は、地球に戻ってきた後、
体験イベントとして、サッポロビール群馬工場に隣接する
バイオ研究開発部の試験圃場で毎年種子を播種し、収穫しています。
そして今年も、岡山大学宇宙博士の杉本先生の楽しいレクチャーで
イベントが始まりました。
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100名を超す、近隣の小学生の親子と、
今回は東日本大震災で被災されたご家族を招待しました。Img_2921_2
岡山大学の杉本先生 


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たのしいレクチャーの後は、みんなで収穫 ヨイしょ!! 抜けた!!

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これが「宇宙を旅した大麦」の子孫

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みんなで収穫を終えたら、いつもの「宇宙の麦茶」で乾杯!!
あーおいしい!!

そして、本日のメインイベント、みんなが楽しみにしていた歌手、
中西圭三さんの「東日本大震災チャリティーライブ」がスタート!!

中西さんは、岡山ご出身とのことで、岡山大学の杉本先生の
「宇宙を旅した大麦」を通じた教育への熱意と、
中西さんの「ぼよよん共和国」への想いがつながり、
中西さんにチャリティーライブをして頂くこととなりました。

「ぼよよん共和国」のfacebookは【こちら】 

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なんと、贅沢にも、アコスティクギター一本での貴重な
「Choo Choo TRAIN(チューチュー トレイン)」や
「ぼよよん行進曲」等、アンコールの2曲を含め、7曲も熱唱頂きました!!

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左から、歌手の中西さん、マネージャーの蒲原さん、
ギターリストの鈴木さん本当に、熱く、たのしいライブをありがとうございました!!

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最後には、参加頂いた方々より、募金をたくさんに頂きました。
お蔭様で、みなさまの温かいお気持ちが積もり、11万円もの募金が集まりました。
これは、被災された皆様のために、日本赤十字社へ寄付されていただきます。
本当にありがとうございました。

6.23(木)

旨さ長持ち麦芽の秘密に迫る!~大麦の育種“交配その1”

原料のこだわり

こんにちは、バイオ研究開発部の時園です。

前回に引き続き、当社が取組んでいる「大麦の育種」についてお伝えしたいと思います。今回のテーマは“交配”ですが、その前に、もう少し大麦の種類についてお勉強をpencil

そもそも、なんで自社で「育種」をするのか。

いい大麦を見つけて買えばいいんじゃないの?普通の会社ならそうするのでしょう。

でも、サッポロビールは違います

私たちサッポロビールは、

1.乾杯をもっとおいしく!beerをモットーに

2.おいしいビールをもっとおいしくしたいと日々願い(-人-)

3.そのためには、よりよい品質の大麦が欲しいhappy02

4.だったら高品質で安全な大麦を自分たちでつくればいいんだpunch育種+協働契約栽培bud

という考えが、135年前の創業当時から引継がれている精神であり、それは大麦に限ったことではなくホップも同様です。

創業当時の原料のお話はこちらから⇒「サッポロビール物語」

その「育種」の最初のステップが“交配”です。

大麦は、自家受粉をしてしまう植物です。そのままにしておけば、勝手に実り、自分と同じような性質の子孫を何代も増やすことはできます。ただ、育種はよりよい品種を育てることですから、例えば、ビール品質の優れた品種と栽培しやすい品種(収量が高い、病気に強い、倒れ難いetc.)を掛け合わせて、より優秀な性質をもった“品種”をつくることからはじまるのです。

どんな性質や特徴を組み合わせるか、それを決めるのはブリーダーの重要な仕事のひとつです。どんな品種もはじめはゼロからスタートrunそれをひとつずつ“交配”によって特徴をもたせていき、最終的に「優秀な大麦」ができあがるんです。

では、どんな性質や特徴をもたせるのか、具体的な例を挙げてみますね。

“性質”、“特徴”と一口にいっても「目に見える特徴」と品質など「収穫して分析してはじめてわかる性質」などさまざまです。

例えば、大麦には二条大麦と六条大麦があります。下の写真は、二条大麦の「はるな二条」です。当社が1980年代に開発した品種ですが、その品質の高さから開発当時は“奇跡の麦”とも呼ばれていたんですよ。宇宙にも行った大麦はこの品種です。

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そして、こちら↓が六条大麦です。見た目からして全然違いますよねsign01

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日本で使用されるビール用大麦はほとんどが二条大麦です。六条大麦は「麦茶」や「麦ごはん」など食用にされることが多いのですが、北米やヨーロッパでは六条大麦からビールをつくることもあるんです。

ほかにも、目に見える特徴としては、稈(カン=茎)の長さや穂の大きさ、形などがあります。稈の長さは背丈を表しますが、生産者にとって育てやすいと好まれるのは、稈が短くて強い品種。現在の日本のビール大麦品種は、過去に栽培されていた品種と比較すると格段に稈の長さが短く、倒れ難くなっているんです。育種による成果の賜物ですgood例えば、品種によっては、こんなに違うんです↓その差は20cmぐらいeye

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そのため、各地域の担当ブリーダーがその地域にあった大麦を育種していくんです。

群馬のサッポロビールの試験圃場ではさまざまな地域の大麦が栽培されているので、顔がまったく違う大麦が育っています。なかにはこんなめずらしい色のものも・・・

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今回は、“交配”に先駆けて、いろいろな大麦があることを見ていただきました。次回は、その交配の現場にグイグイっと迫ってレポートいたしますので、お楽しみに

6. 1(水)

黒ラベルの旨さにせまる!~大麦の育種

原料のこだわり

こんにちは、バイオ研究開発部の時園です。この春入社2年目をむかえ、未来の大麦育種家(ブリーダー)&フィールドマン目指して、ますますがんばっているところですsign03

去年8月、北海道での研修をレポートいたしましたが、少しは成長したところをお見せしたく、サッポロビールの“原料のこだわり”の原点である「大麦の品種開発=育種」について、これからお伝えしていきますので、どうぞよろしくお願いいたします。

さて、早速ですが、皆さん、“旨さ長持ち麦芽”を使用した「サッポロ生ビール黒ラベル」は飲んでいただいてますか?

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今年3月にクオリティアップupした「黒ラベル」“旨さ長持ち麦芽”(下の写真)を採用することで、できたて生ビールのうまさをさらに楽しめるようになりましたnote

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この“旨さ長持ち麦芽”は、私たちが10年かけて開発し、栽培を進めてきた新しい品種「CDC PolarStar」という名前の大麦の麦芽です。PolarStar(ポーラスター)とは、北極星のこと。そうです、当社のコーポレートマークのも、由来は北極星。この大麦が私たちにとってどんなに特別な大麦であるか、その名前からもおわかりいただけますでしょうかhappy01

下の写真は畑の中の「CDC PolarStar」。カナダで生育するビール用二条大麦らしい、大きな穂と粒が特徴です。

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「品種」というと、お米では“コシヒカリ”や“あきたこまち”などが有名ですね。ビール大麦にも同様にたくさんの品種があるのです。

では、「CDC PolarStar」という品種は、今までの大麦となにが違うのか・・・

普通の大麦はLOX(ロックス)というビールを劣化させる原因のひとつである成分(酵素)をもっているのですが、「CDC PolarStar」はLOXをもたない“LOXレス大麦”なのです。つまり、LOXがないため、この大麦の麦芽を使用したビールは劣化しにくいということになるわけです。

この“LOXレス大麦”は岡山大学にある1万点以上の大麦の中から発見されました。しかしながら、在来種といわれる昔からある品種のため、現代の機械化された栽培方法の畑では栽培しづらいという性質ももちあわせていました。

そこで、「LOXをもたず、栽培しやすい品種」になるように、2001年からカナダのサスカチュワン大学と協働で育種を開始したのです。2008年にはビール大麦としてカナダで品種登録され、育種開始から10年目の昨年、ようやく本格的な生産がはじまったわけですが、なんと、昨年はカナダ国内で作付面積が4位という快挙を達成notesたくさん収穫できたおかげで、今年から黒ラベル」に使用することができたわけですhappy02good下の写真は昨年8月、「CDC PolarStar」の生産者と畑の中で収穫前ミーティングをしている風景です。右から2人めが、北米の大麦担当の保木フィールドマン。保木さんはブリーダーでもあり、日頃、私がお世話になっている先輩のひとりですsign01

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最後になりますが、「育種」にはどんなイメージをおもちでしょうか。少し格好良く言うと「品種改良」とか「品種育成」という言葉になると思います。これから、実際に「育種」がどのように進められていくのか、その過程をレポートしていきます。

次回のテーマは、育種の第一歩、「交配」です。「交配」ってなに?って方も多いと思いますが、内容もわかりやすく、さらにビールがおいしくなるようbeerがんばって解説してまいりますので、引き続き、ご愛読くださいm(_ _)m

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